伊達忠宗収蔵品
駆け走る二匹の猪
2019.01.24
二代藩主伊達忠宗副葬品 二匹猪金目貫 縦1.4㎝ 横3.7㎝ 重さ5.9g
本年は「亥」の年ということで、関連する収蔵品をご紹介いたします。
二匹の猪が走る様子がいきいきと模られています。金に少しの青金と呼ばれる合金を裏側から叩いて膨らませ、表面から鏨(たがね)と呼ばれる道具で表面を削り、猪の特徴を見事に浮き上がらせています。
これは目貫(めぬき)と呼ばれる刀の装身具で、仙台藩二代藩主伊達忠宗の墓所より発見されたものです。
忠宗が猪の図柄を目貫としたのはどんな理由があったのでしょうか?
実は忠宗の生誕は慶長4年巳亥、そう忠宗の干支(えと)は「いのしし」なのです。現在でも自分の干支の図柄をお守りや根付などにする風習がありますが、忠宗も自分の干支である猪を愛用品である刀の装飾として用いていたのでした。忠宗は特に武芸を好んでいたと伝えられ、刀剣の鑑定にも長じていたということですので、大事な刀に愛着をもって据え付けたものと思われます。そんな忠宗の人柄が偲ばれる「二匹猪金目貫」は資料館にて展示しております。お越しの際はぜひご覧ください!
(本内容は三代藩主伊達綱宗公遠忌法要栞「駆け走る二匹の猪」をリライトしたものです)